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オープンロー@hatena

「オープンロー@hatena」について

Openlaw@ハーバードロースクールをモデルにした実験サイトです。2005年6月1日より正式に開始しました.
第一段として各地の住基ネット訴訟を追跡しています。(追記: 2008年3月6日、最高裁判決が出されました。資料コメントは順次出す予定です。)

オンライン情報共有サイト「オープンロー」の立ち上げについて

オープンロー運営責任者 山根信二 (CPSR日本支部)

ディスカッションURL(当サイト):
http://openlaw.g.hatena.ne.jp/
情報公開URL:
http://www.ws4chr-j.org/e-GovSec/
((旧アドレス: http://www.ws4chr-j.org/e-GovSec/, JCA-NET提供)

はじめに

このたび,CPSR日本支部と「電子政府・電子自治体情報セキュリティ関連資料提供プロジェクト」は,コンピュータ技術をめぐる訴訟について意見交換の場をオンライン上に設けるプロジェクトを開始しました.

ネットワーク上での係争が増えるにつれて,近年ではコンピュータ専門家が法廷で参考意見を述べることも珍しくなくなりました.しかし,専門家が法廷の外で知見を交換する場所は少なく,またハイテク裁判についての報道も限られたものでした.

いちはやくネット時代の訴訟社会に突入したアメリカのコンピュータ業界では,ACM や CPSR といったコンピュータ専門家団体が,法律とコンピュータ技術の間を埋める試みを進めています.たとえば.コンピュータ専門家が見守る壇上で法律家がハイテク訴訟の模擬裁判を行なうのは珍しいことではありません.
(例: http://archive.cpsr.net/conferences/cfp93/ingraham-case.html など)

また,注目される裁判の経過を専門家がウォッチするオンラインサイトも定着しています.そこでは,たとえば法廷に実際に提出された書類がオンラインで公開されたり,あるいは訴訟と同時進行で分析や意見を交換するウェブ掲示板やメーリングリストが提供されます.

こうした動向を背景にして,本プロジェクトでは,コンピュータ専門家と非専門家とが現在問われている訴訟についてネットワーク上でオープンな討議を行なう実験に取り組みます.

モデル

本プロジェクトは,ハーバード大学ロースクールのバークマンセンター(Berkman Center for Internet & Society)が行なっている Openlaw プロジェクトをモデルにしています.同プロジェクトでは訴訟と同時進行で専門家だけでなく非専門家も交えたオンラインのブレインストーミングを行ない,時にはセンターのスタッフが議論のとりまとめを行ない,裁判所に参考意見書を提出する場合もあります.学術論文や報道でも Openlaw で提供される資料やニュースが参照されることも珍しくありません.
(詳しくは6月に書いた紹介を御覧下さい.)

具体的な取り組み

本プロジェクトでは,実際に法廷に提出された文書を使いながら,オープンな意見交換を行なうスペース「オープンロー@hatena」(http://openlaw.g.hatena.ne.jp/)をオンライン上に設けます.

まず2005年6月から8月にかけて,本プロジェクトは住基ネット裁判にとりくみます.(裁判と同時進行で行なうため,詳しい予定は変わる可能性があります.) 詳細が明らかにされていないために,これまで専門家が住基ネットについて実証的な議論を行なうことが困難でした.そこで,本プロジェクトでは法廷でのコンピュータ専門家による証言およびに国の答弁にもとづいた具体的な検討を行ないます.

法廷書類を信頼できる形でスキャンし公開するのは,「電子政府・電子自治体情報セキュリティ関連資料提供プロジェクト」が行ないます(2008年,サイト提供・運用を行っていた通信NGOであるJCA-NETから独立). そして分析や意見を交換するためのサイトの運営をCPSR (社会的責任を考えるコンピュータ専門家の会)日本支部が担当します.意見を交換するサイトは独立した商用サービスを利用して行なわれ,実名または筆名での投稿やトラックバックによって情報交換を行なうことが可能です.この時,投稿者の個人情報はサイト外の弁護団や提供プロジェクトに提供されることはありません.

参加方法

裁判関連情報をウォッチしたい方は,本サイトの更新情報をチェックするのが便利です(RSS). また,「Openlaw日誌」にコメントを書き込んだり,外部ユーザも自分のウェブログからトラックバックをかけることで自分の議論へのリンクを加えることも可能です. (長文の場合は,コメント欄ではなく外部のウェブサイトに独立したページを設けて,そこからリンクする方が読みやすいでしょう.)

ハーバード大学ロースクールのOpenlawプロジェクトでは,メーリングリストで議論の内容を職員がまとめながら意見書を作成し,裁判所に提出することもあります.それに対して本プロジェクトでは,ウェブ上で議論を行ないたいと考えていますが,報告書をまとめる予定はありません.この理由は,意見書をまとめる法律スタッフがいないという消極的な理由だけでなく,むしろ異なる立場の人々がいま行なわれている裁判に注目するというコミュニケーションそのものを目的としているためです.

おわりに

本プロジェクトは,法廷での提出資料にもとづいた分析と議論を行なうことで,専門家が社会的な議論に参加するきっかけを提供します.そして,技術的な問題と法律的な問題とを同時に検討する新たな社会的コミュニケーションの試みに取り組みます.

CPSR

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