Openlaw日誌 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2005-06-07サイト紹介

Openlawの背景と特色 Openlawの背景と特色 - Openlaw日誌 を含むブックマーク

Openlawプロジェクトをはじめた法学者 ローレンス・レッシグ については,翻訳も出ているのでご存知の方も多いと思います.レッシグはインタビューでOpenlawについて「オープンソースソフトウェア開発の手法を法文書作成に取り入れる」と言ってますが,この発想は法学者の中から出たものではなく,技術者との交流--具体的にはMIT(マサチューセッツ工科大学)との共同プロジェクトが背景にあるように思えます.

レッシグはハーバード大学に在籍したときにMITとの共同講義に参加しています.これはハーバード大学ロースクールの学生とMITでコンピュータサイエンスやSTS(科学論)を履修する学生とが同じコースを履修し,教室もMITとハーバード大学で交互に行なわれるというものです.共同講義の統括者であるMITのAbelson教授のところで教材や歴代の優秀レポートが公開されています.たとえば1998年の期末発表会のプログラムを見ると,学生レポートの質も高いし,ゲストコメンテーターも豪華.ここで発表した学生の名前が「CODE」isbn:4881359932の謝辞にも登場していますが,レッシグがその次の著書「コモンズisbn:4798102040UNIXシェイクスピア作品にたとえたりするのは,MITハッカー的な感性に影響されているように思います.(ちなみにその後Abelson教授はMITの教材を公開するOpenCourseWareを立ち上げて,その共同講座の教材も公開されてます.私が見てきたようなことを言えるのも,こうした過去の記録がオンラインで入手できるためです.)ロースクールのアカデミックな討論にオープンソース開発者コミュニティの手法や新しいツールをとりいれ,意見をまとめようというOpenlawのアイデアが出てきたのはこうした越境的な環境の産物でしょう.

Openlawプロジェクトが最初にとりあげるケースとしてレッシグが選んだのはエルドレッド裁判でした。この裁判についてはレッシグの近作「Free Cultureisbn:4798106801に詳しく書かれています.その「Free Culture」の注釈には Openlaw のURLががんがん含まれており,またレッシグはインタビューでも「Openlawをチェックしてくれ」とくりかえし言及しています.Openlawプロジェクトに寄せられた情報を一番活用しているのはレッシグ教授自身だと言えるでしょう(^^).その次は,Openlawプロジェクトをまとめた意見書を裁判所に提出したハーバード大学ロースクールのスタッフか.日本のロースクールでも、こうした活動を正式なミッションとして位置づける枠組ができることを期待しています.

なお,レッシグがスタンフォード大学に移籍した後,Openlawプロジェクトは上記の1998年組の学生の一人で、その後ハーバード大学ロースクールの研究機関であるバークマンセンターのフェローになったWendy Seltzerらが引き継いでいます.

CODE―インターネットの合法・違法・プライバシー コモンズ Free Culture

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