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2006-12-07住基ネット違憲判決 大阪高裁判決全文(速報版) このエントリーを含むブックマーク

首長が上告を断念した自治体も出たという報道もあり、判決の余波はまだ広がっています。

本日、e-GovSecの尽力により、大阪高裁判決全文がオンライン化されました。

このファイルはFax送信された「速報版」で、やや読みにくい部分があります。

住基ネット訴訟(豊中市箕面市吹田市守口市八尾市)大阪高裁判決全文

正式版の公開は、週末以降になるとのことです。

(追記: 上記リンク先のファイルは正式版にさしかえられ、同時にe-GovSecのトップページからリンクされました。)

s-yamanes-yamane2006/12/09 06:22ようやく読み通せました。判決文は後半から佳境にはいります。とにかく長いのですが、双方の主張の合理性をめぐって、「たしかにそのように考えられる、だがしかし」というような、かなり丁寧な議論が積み重ねられています。たとえば住基ネットがもたらす経費削減についての試算の評価、国のセキュリティ調査結果と地方自治体の実態調査、そして実際に住基法以上の情報収集/提供をしたという実例、そして離脱はダメだと主張する側が離脱によるコストを試算していないことなど、専門家ではない裁判官が合理的な判断をするための材料をつみあげています。正式版が待てない人は特に後半部をチェックしてみてください。

s-yamanes-yamane2006/12/09 06:50裁判官が自殺体で発見されたことや審議の延期があったことで、判決時の精神状態がとりだたされたりする向きもありますが、判決文を読めば一貫した合理性があることは明らかです。
 これまでの各地の判決にはどちらかの主張をそのまま採用しているという印象を持ったのですが、今回の判決は双方の主張をつきあわせようとしている印象を持ちました。(全資料を見てみないと採用されない証拠がどれくらいあったのかはわかりませんが)これは非常に対話的な判決文です。
 裁判長については「公害の実態を非常に理解していた人」(http://www.kobe-np.co.jp/kobenews/sg/0000183442.shtml)という報道もなされましたが、今回の判決も、どの程度のリスクを受け入れるべきかという試算と評価を行なっている点では一貫しているかと思いました。

s-yamanes-yamane2006/12/09 07:28 関心をもったので尼崎公害訴訟判決について調べてみました。
http://www.cc.matsuyama-u.ac.jp/~tamura/amagasakihannketu.htm
これは疫学的評価をやってますね。どちらが正しいかではなく、リスク評価にもとづいて和解。疫学はリスクの科学としてコンピュータセキュリティよりも長い歴史をもっていますが、それを法廷に持ち込むことについては津田敏秀「市民のための疫学入門—医学ニュースから環境裁判まで」が参考になります。

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