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2008-04-29平成19年度電子政府評価委員会報告書に見る電子政府の実態 このエントリーを含むブックマーク

IT戦略本部の電子政府評価委員会が作成した平成19年度の電子政府評価委員会報告書が公開されています.

(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/densihyouka/index.html)

本報告書は、IT新改革戦略(平成18年1月19日IT戦略本部)で掲げる「世界一便利で効率的な電子行政」という目標に向けた政策について、電子政府評価委員会(以下「本委員会」という。)が行った平成19年度時点における評価をとりまとめたものである。昨年度は、評価活動の1年目ということで、関係府省等からのヒアリング等を通じて現状把握に努め、現状の取組から見た課題を抽出し、その解決に向けた方向性について取りまとめたところである。

特に,

  • 参考資料4「平成18年度における行政機関に係るオンライン申請等手続システムの利用状況等調査の結果」および別表 (pp.52--63)
  • 参考資料5「平成18年度における行政手続オンライン化等の状況」総務省, 平成19年8月3日 (平成19年11月9日訂正) (pp.64--72)

がすごい.おそろしい数字が並んでいます。

以下に参考資料4別表をワースト順に紹介されている方のまとめを紹介します.

これを見ると、ほとんど利用されない公共施設といった箱モノよりヒドイ、電子申請システムの実態がわかります。

ワースト3は次の通り。

1 文部科学省オンライン申請システム 

  • 年間利用件数:5件
  • 申請1件当たりの経費:2814万9600円
  • 年間運用経費:1億4074万円

2 国家公安委員会・警察庁電子申請・届出システム

  • 年間利用件数:5件
  • 申請1件当たりの経費:499万1800円
  • 年間運用経費:2495万円

3 防衛省 申請届出等システム

  • 年間利用件数:9件
  • 申請1件当たりの経費:341万2778円
  • 年間運用経費:3071万円

ちなみに、4位となる「外務省汎用受付等システム」

  • 年間利用件数:22件
  • 申請1件当たりの経費:125万7273円
  • 年間運用経費:2766万円

は、平成19年2月をもって停止となっています。

税金の無駄使いと批判される箱モノ施設だって、年間の利用が5件なんて、あり得ない話しです。しかし、電子政府では、それが許され放置されているのです。

http://blog.goo.ne.jp/egovblog/e/b00ce5169a74d4f8ea0f39456741636c

なお、本報告書で調査報告されているのは官庁による「電子政府」の取り組みで、地方自治体が主体と名って行なう「電子自治体」まではカバーしきれていません.しかし,日本の国力をはかる上で有益な資料となっています.

 住基ネット訴訟では人権や憲法の問題が論じられましたが、ダメなシステムとは何か、という点は論じられませんでした。システムについて現状を把握し定量化する試みはもっと深められるべきだと考えます。

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