Openlaw日誌 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2012-05-112012年度の動向 このエントリーを含むブックマーク

OpenLaw一休み中

近年は注目の裁判の判決文が速やかにネットで公開され,掲示板以外のコミュニケーション形態も広まることで,本家OpenLawも「法廷資料の共有とオンラインディスカッション」というフォーマットを続けるのはいったん停止しています.本サイトで実験したOpenLawのフォーマットも,今後は別の形態をとることになるでしょう.これまでの本サイトのOpenLaw活動は第一期として休止し,今後はアップデート作業のみを行なうこととします.

2012年度のアップデート: 翻訳から人材育成へ

2011年に書いたコメントで触れていますが,国際的なプライバシーの議論が日本語書籍でも見られるようになりました.そしてただ海外事情を翻訳するだけでなく,プライバシー・インパクト・アセスメントを実施するというプロジェクト型教育を行なう大学院教育もはじまっています.これまで日本にいなかった,設計段階からプライバシーに配慮できるコンピュータ専門家の育成がはじまったことで,その専門家が活躍できるような仕組みが必要とされています.

求められる専門家の活動

一方で,誰もがプライバシー問題について発言するようになり,有識者の発言もばらばらで,どのプライバシー専門家が信頼できるのか判断できない,という新たな問題も起こっています.たとえ過去にプライバシーを研究してた専門家でも最近の技術について勉強しているとは限らないので,信頼できると即断できません.これは非常に難しい問題です.北米では近年「国際プライバシー専門家協会」(International Association of Privacy Professionals: IAPP)が自治体向け,企業向けのプライバシー専門家認定をおこない,第一線の専門家が集まって充実したセミナーを提供しています.(IAPPについての日本語情報としては,ネオテニー編『電子政府・電子自治体のプライバシーに関する調査研究報告書』(2003)の「海外プライバシー関連コンファレンスの現況から」,また@ITインタビュー(2005)が参考になります.)日本でもIAPPを参考にした複数の団体がプライバシー専門家の認定を行なっていますが,IAPPのセミナーの内容とは互換性がとれておらず,またプライバシー専門家育成について専門家団体として社会的提言を行なうこともなく,どの国内団体もまだIAPPのような高い評価を獲得するに至っていません.

どのプライバシー専門家を信頼できるのかというのは回答が難しい問題ですが,プライバシー専門家であり続けるために必要なものは明確になっています.それは前述の「海外プライバシー関連コンファレンスの現況から」でも述べられているように,第一線の専門家による組織や国を越えた交流を重ねることに尽きます.

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